その2・ラスト・平蔵って?

いろいろ考えさせられるラストだった。最後の最後が、ミツの独白で終わったのは私としては由布姫で終わるよりはよかったと思う(申し訳ないが、「風林火山」は姫さまのシーンよりも、謀略や戦い等のシーンの方がずっと面白かったので)。また、伝兵衛と太吉という古い付き合いの仲間が、勘助の身体と首を捜してくるというのも、特に初回から見ていた人には何とも感無量というか泣けるシーンだったと思う。
ところで、私が一番考えてしまった(今も考えている)のは「平蔵」というキャラクターである。
彼は一体何だったのだろうか?
当初は勘助と同じく打倒武田に燃え、途中で勘助が武田に仕えることになっても初志貫徹し、仕える主君がみんな武田に負けてしまうもののしぶとく生き残り、流れ流れて越後まで行き、寅王丸の死に一枚かんでしまい、最後は勘助のマリシテンに手を出そうとして矢にあたり・・・おふくばあさんの前で力尽きて倒れる。たぶん、彼はおふくに助けられたのではないか、と思うが・・・
それはさておき、平蔵は勘助と対比されるべきキャラクターではなかったのか、と思うのだがどうなんだろう。勘助ほどの知謀はなく武田に仕えることもできずに流れ流されていく小さな存在、でも自分の意図しないところで寅王丸の死という大きな事件を引き起こしてしまうという罪深さ、そして最後は家族のところに帰りたい、と願う平凡な人間。勘助は平蔵と違い、流れるのではなく、流れを自分で作っていける人間であり、家族は養女がいるものの、家族よりも「おやかた様」命である。この二人のコントラストを製作サイドは狙っていたのではないか、と思うのだが、どうなのだろうか?
こういっては何だが、平蔵役の人は、がんばってはいたものの、他の出演者が主役の内野聖陽を筆頭に演技が上手い人が多すぎたため、かすんでみえた。正直、ラストは平蔵よりも伝兵衛の方が印象に残ったし。。。
平蔵について製作側とかから何かコメントがあれば知りたい。